アタリしか引かない。

※全てフィクションです。エロと精神とらぶ。

封印記念

そういえばわたしのちょ〜いらないスキルのうちの1つに「ナンパさせる」というのがあってだね、また気分が良くてうっかり発動させてしまって一人ひっかけた。ひっかけたはいいけど即座にいけないなぁと思い直して、お散歩だけして家まで送ってもらってそのまま帰した。送り狼のなりそこない、ただの優しい男の子。まともな人ならここで、そんな得体の知れない男に家を知らせるなんて!と思うかもだけど〜だって〜家に入ろうとしたら声かけられたのだし〜〜だいたい大丈夫なやつかそうじゃないかなんて目を見ればわかるし〜〜しかも向こうからせめて送らせてくださいって言ってきたんだし〜〜。でもでもそんなの危ないと思う人はちひろさんの第2話眼鏡っ娘を読もう。てかこんな辺境ブログ読んでる人間いないだろ。だからわたしは好き勝手にかける。

まあナンパさせるとはいうけど、誰も彼もは無理で、あ、この子、というのが瞬時にわかるというはなし。わたしは、あ、かわい〜と思った男の子の気を、文字通り引く、もっと言うと引っ張ることができる。詳しく説明すると…って説明しようとしても全然よくわからないな。例えばコンビニの店員さんとか駅のプラットフォームで隣り合った大学生とかバイト先のお客さんとか、とにかく初対面の男の子たちとあまり言葉を使わずに仲良くなれる、みたいな。最初から親友のような恋人のような兄弟のような。最近は対象と目を合わせなくてもそれができるようになっていた。(てかこんなん誰が信じるの?)

でもこんなどこから得たかよくわからないものを振り回してもロクなことにならないっていうのはもう十二分にわかっているから、今日をもってして封印する。使わない。捨てないけどね。捨てたらなんの意味もない。それを持ちながら使わないことをしないとだめな気がする。機は熟した、今までありがとう、ごきげんよう、左様なら。

 

追記

ちょっと前までこういうことをみんなできる、みんなしてると思っていたんだけど全然思い違いだったみたいで驚いた。

このスキルは実は気を抜いてる時のほうがやりやすい。やりやすいっていうか勝手にやっちゃう。要は隙を相手にだけわかるように伝えるという技術なのかもな。意外と高度なことだけど別にご大層なことでもなく、崇高でもなんでもないからやっぱ心底いらないな。

こうやっていらないものを封印していくのは気分がいい。捨ててはないから悲しくはない。またうっかりやってしまうことがありませんように。

なんか気を張っているわけじゃなくて気を抜いてなくて、気の抜き方が最近よくわからなかったんだけど年末に来てようやくそれがわかったかもしれない。たぶん。はっぱやったときみたいなかんじを思い出せばいい。

もう全部わかるの。こうやって言ったらこの人はこんな風にわたしのことを好きになって、こうやって言ったらもう連絡は来なくて、この人はわたしの本質を見ないな、とか、本質を見ていてもここでこうなってこうなってこううまくいくなとか、そんなのつまらないよ。始めから分かっているものなんて退屈すぎる。

そういえばこのナンパしてきた男の子はまじで壊れたスピーカーか鸚鵡のように、本当に綺麗ですねって繰り返していた。それしか言うことないんかと出かかったけど堪えた。その代わり心の中で、あの人のおかげだけどねとこちらもこちらで繰り返していた。

2021.1.22追記

この時ナンパしてきた男の子と入院先の病棟で再開した。なにも話さなかったけど、わたしの尿検査のコップを受け取ったのが彼だった。

そしてまた最近仕事がハードワークすぎて気を抜いてたら若い男の子がふらっと引き寄せられてきて、あわててシャットアウトするということがあった。くわばらくわばら。