アタリしか引かない。

※全てフィクションです。エロと精神とらぶ。

告白から最も遠い女

わわわわわかった。教えてもらってやっと解明された。

わたし貞操義務や貞操主義がまったくわかってないわ。こんな女とは誰も付き合えない。道理で社会的な彼氏がつくれないわけだな。噛み合わないわけだよ。セフレとも絶妙に言いがたい、今風の言葉で表すならばきっと「エモい」と表現されるであろう関係を築いてばかりいたのにはちゃんと理由があったんだ。それぞれの人との関係がオリジナルすぎて一言でとても言い表せない。

「付き合ってください」。言えないなあ。こんなに何もわかっていない女にそんなこと言うのはこわすぎる。そういえば学生時代、付き合ってほしいと言われた際に、「なんのために?付き合って何するの?」と言い放った人間だった。きっとその時男の子の情緒は破壊されだろう、そのあと10年くらいずっと好きでいてくれたよね、ありがとう。

「〇〇が彼女だったらいいなって考えるよ、✖️✖️と付き合ったって聞いた時もめちゃくちゃ嫉妬した、羨ましくて……でも付き合うとかそういうのとはやっぱり違う気もするんだ、なんなんだろうなぁ」と言った少年はついぞ正しかった、これだけ感が鋭かったら最悪な事態は回避してうまくやっているだろう。(どうか幸せでいてね)

わたしは貞操をインストールされることなく生きてきた。それはわたしにとってはとても良かった。20代のうちは頑張って貞操観念に基づいた、みんなが共感してくれるような恋愛をやってみようともがいたけれど無理だった。わたしは多分、元々男女は貞操なんかで本当にはつながれないと知っていて、そもそも人は縛り合うものでもなく、厳密に点検しても具体的に縛るものが何もないのにこの人といたい、というのがすべての始まりになるということを基準として持っていたのだと思う。

恋愛における一般的にあって当然とされる感情を理解しよう歩み寄ろうとして25年くらい頑張ったけれど、元々素質が皆無だから無理に決まっていた。文字どおりわたしの中にそれについての理が無いわ。その外側にしかなかった。つくづく理に敵わないことを嫌う性分でよかった。

わたしはやっと元々のわたしに帰ることができたというか、失われていたわたしが与えられたのだと思う。

追記2023.4.22.ついでに言うと、「自分を大切にしなきゃ」みたいなこともいまだによくわからない。どうして沢山の男と寝ること=自分を大切にしていないことになるのか根本的に理解できない。これはずっと理解できないんだろうな。

追記同日。うわ、急に今までにない「別にわざわざ寝なくても良くね?」という感情が湧いてきた。昨日なんとなく気になっていたドラマ「わかっていても」の1話を流していたけど(おもしろくはなかった)、あの二人は寝る必要はないわ。そしてわたしもあの人もこれから別にわざわざ他の人と寝る必要ないわ。

追記2023.6.22.今のわたしの話を過去に関係を持った男の子たちにしたらきっと面白がってくれると思う。誰も馬鹿にしたりしないと言う確信がある。ただ今の彼らではなく、その時の彼らにしたら、という話だけど。