(サントラで酔える)
わたしは最初、ネオン・デーモンってエル・ファニング演じるジェシーのことかと思ったんだけど違った。ジェシーはneonな存在ではあるけど、悪魔ではない。
ジェシーは徹頭徹尾、"dangerous"(危険な子)として描かれる。なぜ危険かというとそばにいる者の嫉妬や欲望を煽って悪魔にしてしまうから、親にさえそう呼ばれていたのだった。
"腐った牛乳より新鮮な肉"って台詞があった。ジェシーという新鮮な肉には色々なものが集まってくる。(山猫もルビーもモーテルの男もそういうことなんだろうね。)
人の毒気を抜いてしまう人もいるけど、ジェシーは逆に毒気を生んでしまう方だった。生まれた毒気にやられて牛乳は腐ってしまうわけ。気の毒なことだ。
ジェシーは手を加えていなくても美しい女の子だけど中身も天然というか考えが足りないから、初対面の整形したモデルが、担当医にbionic womenって褒められた〜って言ってるのに、それってお世辞じゃない?とか素で言ってしまう。その前に小馬鹿にされたことへの仕返しかもしれないけど、それはそれで外見にそぐわない彼女の攻撃的な面が出ていていいか。
この子面白いけど危なっかしいなと思いながら観ていた。あのトイレのシーンの緊張感が好き。
ジェシーがモーテルの男に襲われそうになってルビーの家に行った時、ジェシーがシャワーを浴びてる隙にルビーが化粧直しをしてるのが健気だった。たぶんジェシーが来るから背中がガッツリ開いたワンピースに着替えたんだなとか妄想するとね。彼女なりのセックスアピールだったのかなと思うと悲しい。