アタリしか引かない。

※全てフィクションです。エロと精神とらぶ。

映画 パターソン ジャームッシュを礼賛したくないの。

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わたしは天邪鬼な人間なので、ジム・ジャームッシュの撮った映画を愛していても素晴らしいとか言いたくない。

いやいや素晴らしいとか似合わなくない?だってジャームッシュだよ?あのジム・ジャームッシュだよ。

と(敬意を払って)思う。

 

新宿武蔵野館でパターソンを観た。

真面目な空気にびっくり。早稲田松竹でオンリーラヴァーズレフトアライヴを観た時も思ったけど、みんな全然笑わないんだもん。ジャームッシュってギャグ線高くない?オフビートですよオフビート。ジャームッシュの映画についてオフビートとか言うのはかなり恥ずかしいけど。(だいたいアダム・ドライバーって名前の人がバス・ドライバー役なんだぞ。これが偶然とかもう既に変でしょ。)

 

パターソンは今までの集大成、ジャームッシュが帰ってきた、などと書かれているのを見かけたけど、いやいや此の期に及んで進化していませんか?と。ジャームッシュはどこにも行っていない。(シャマラン監督も同じようなことを言われていたけど、あれはなんかわかる)

原点回帰っぽく見えるだけで、分かりやすく映画的に作られていると思った。いい話風でテンポが良くて昔と違って意味のないシーンやキャラクターが見当たらないし。それぞれに役割があった。細かく説明するのは面倒だからしないけど。

そしてパターソンが性格的に真面目だからなのか、全体にわたって砕けていないというか、明らかにふざけておかしいというところもなかったね。

過去のジャームッシュの映画は、時系列が怪しい友達の話を聞きながら脳内再生してるって感じで映画を観ているという気がしなかったけど、パターソンはちゃんとした映画を観たって感じがした。(まあ主観だし、前作からそんな感じだけど)(あまりにも原点回帰原点回帰言われてるから)

何が映画的だったんだろうと考えると、多分彼女、奥さん?の存在が大きいかな。あの人がいることでお話に統一感が出て、かつ昨日と今日はまるで別の日っていう感じが強まる気がする。だって彼女1人が忙しないから。あの彼女は一貫して今を生きてる女だから。

あとね、笑えるシーン(ギャグシーン?)の扱いもちょっと変わった気がする。パターソンではギャグシーンでも意味がわかる、前後との繋がりがあるシーンになってる。過去のは突如として現れて、は?!意味がわからない!?でもつい笑っちゃう、って驚きがあったけどパターソンではそれがなかったな。唯一近かったのはコインランドリーのシーンかなと思ったけど、彼も詩作をしていたわけだから無関係というわけでもないし。

 

パターソンついて、別段いい映画だなあと感慨には浸らないし、繰り返される日常が愛おしいんだよね、みたいな感想は浮かんでこない。パターソンもそうは思ってはなさそうだったし。ああコピーとっときゃよかったなぁとは思っただろうけど。

 

 

追記。この日パターソンの奥さんぽいスカートはいてた。

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ジャームッシュを素晴らしいと言うひとは信頼できない。

ジム・ジャームッシュが好き。素晴らしくないところが好き。

最近やたらとパターソンが絶賛されているのを見かけるけど、シネマハスラーで取り上げられたから観た人が多いのかな。オンリーラヴァーズレフトアライヴだってゴーストドッグだってパーマネントヴァケーションだってダウンバイローだって等しく面白いよ。これを機に他のも観てよね。

今回の主演のアダム・ドライバーはヤング・アダルト・ニューヨークでどうにもいけすかない役を演じていてそれにハマりすぎていたからか好きじゃないんだよな。

と言うことで今日は仕事終わったらパターソン観る。

観たらここになんか書く。

映画 ウーナ だってあなたは愛してるって言った。

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『UNA』

ルーニー・マーラベン・メンデルソーンの悲しい映画を観た。ウーナは名前。ルーニー・マーラ演じる見た目は美しいけど、幼くて光の射さない目を持つ大人の女。

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セックスのシーンがけっこうある。でもどのシーンも醜い。冒頭の鏡に顔を押し付けての後背位でのセックスなんて特に汚く見えるし、トイレに反響する声は喘ぎ声には遠く、呻き声にしか聞こえない。それにトイレというシュチュエーションが全てを物語っている。

ウーナにとってレイとの恋あい、性行為だけが幸せで最上だったということ。それ以外はゴミ。それはゴミみたいなことをしている自分もゴミってこと。そしてゴミでいることがレイとの恋あいを鮮明なまま覚えていられる手段にもなっている。

拠り所のない虚しい生活を送る中では、皮肉にもレイとの思い出が唯一ウーナを支えるもので、だからあの場所から離れられないし離れたくない。そこにいることで自分の人生が進まなくても、レイが帰ってこないとわかっていてもそこからどうしても動けない。大人になったはずのウーナが今苦しんでいることの全てをレイの仕打ちのせいにしたい、でもレイを明確に好きだった、愛していたという事実は消すことができない。レイが自分を愛していたという確証が欲しい、レイに愛されていたと信じている、でももしかしたらただのロリコン野郎だったのかもしれない。

物語中頃までは思春期の強烈な体験に、自分で自分を縛り付けているのかと思った。でもそれに勝るものなんてウーナの人生にはない。たぶん、全ての感情の昂り(最高潮)を1つの恋あいで経験してしまったら他のことなんてゼロに等しい。それを喪ったら当然心は死ぬ。ウーナにとって、時が経てば悲しみは薄れてその内忘れるという、普通の人には起こる都合のいい現象は起きない。タフじゃないから。情動の成長段階で壊されてしまったらタフになりようがないから。ウーナの立ち姿を見れば、人生が止まっている女性だということが分かる。痩せすぎた裸の背中はウーナの精神の脆さや、ウーナの心が修復不可能なほど壊れていることを物語る。

ストーリーの終わりの方、2人が観覧車に乗っているシーンで本当のことが明かされる。レイが言っていた人生最大の過ちってウーナと恋あい関係になったことではなく、もっと早くあの部屋に戻らなかったことだね。戻ったところでどうとも言えないかもしれないけど。

 

いいなと思った字幕があった。fucked meっていうのを、わたしの中に入ったと訳していたのがよかった。秋の夜長、悲しい話を観て過ごすのもよかった。

ハニー、眠れぬ夜なんてないわ。

ロマンチックな夜の東京散策から駅の喧騒まで帰ってきて別れ際、眠れぬ夜を過ごしてね、と言われた。

このまま帰らされるのか、と思ったけどすぐに、いやこのまま帰ろう、と思った。いつもなら別の人を自分勝手に呼び出して第2の夜を始めたりするのに、この日はそんな気分になれなかった。

 

このまま帰ってもドキドキして眠れないかなって思ったけど、それは杞憂に終わった。よかった。わたしはどこでもいつでも睡眠が取れる。だから風の吹く代官山の夜を抱いて寝た。

最終章なんて始めたくなかったのに。

あっもう終わりだと思った。電話の声を聞いて確信して泣いた。わたしが間違えてかけた電話に出た声は優しかったのに。そういうことってあるよね。

一年以上前に恋人ではなくなって、それから気をつけて甘え合う関係になって、先日とうとうわたしの中で終わった。

さようなら。もう男の子じゃないならいらない。

凶悪のリリーさんが父親にそっくりな件。

わたしは母親より父親の方とウマが合う。

でも顔を見るたびに映画『凶悪』のリリー・フランキーに似てるなって思うからちょっといやだ。(いやだけどそんなところも実は好き)

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引くほど似ている。

 

父親はどうやっても堅気にはなれない人間で水商売が生業だし、かと言って凶悪で外道な人間にもなれない。人を殺す度胸なんて絶対にないし。

でも父親に会うと許されている気がする。わたしが困ったらいつでも面倒見てくれるだろうなって。父親はわたしを愛してはいないけど、それが心地いい。愛なんて挟まなくても冷静に優しいから信頼できる。

 

わたしが物心がつくかつかないかくらいの時期に父親といるときに父親のいい人らしき美女に出くわした。今も顔が思い出せるくらいに綺麗な女性で、わたしに関心を持っていない素ぶりだったのが良かった。母親よりもその人の方が正しいと感じたのを覚えてる。明らかに社会的でない風なその人の方が信じられると思ってしまった。

今思えばそのときすでに道は決まっていたってことだね。

三つ子の魂百までって言葉は本当侮れないよ。

 

芸能人似という甘言

〇〇に似てるよね!って褒め言葉じゃないからほとんど人に言わない。

それは〇〇の下位互換ですよねと言う意味で、しかもただの主観だから信じるに値しない。〇〇に似てるって何人か芸能人の名前を挙げられたことはあるけど、それは喜ぶべきことではない。

 

我思うにわたしは蒼井優に似てるんだけど、それは主に自虐だから。蒼井優本体は超絶可愛いし素敵だけど、似てるとなると話は違ってくるからな。

でもこの前、宮沢りえに似てるって言われるでしょって言われて分かりやすくテンションを上げてしまった。

でも別の日にはミシェル・ロドリゲスに似てるって言われて苦虫を噛み潰したような顔をしてしまった。(ミシェル・ロドリゲス超可愛い大好きって言ってる人に言われたからまだ救いがあったけど)

 

そんな可愛いところもある。人間だもの。