受容と供給
副都心線の怪と危機管理能力
また男を連れ込んでしまった。
嘘つきは。
君とこういう関係になってから他の誰とも寝てないの。君以外に必要なかったから。大好きだよ。
と口からこぼれた。
よくもまあ抜け抜けとこんな言葉がでてくるものだと自分でも感心してしまう。女の子は口が達者だからね、と小さい頃から言われていたかは定かではないけれど、確かに一理あるかもね。わたしは絶対に地獄行きだ。閻魔様に舌を抜かれる。
本当に、つい嘘をついてしまう。重ねると言った方がいいかもしれない。わたしには真実も虚偽も同じに思える。もちろん、そんなのおかしいということも判っている。でも、二つの区別がつかない。どちらでも同じに思える。赤いリンゴを青いと言ったところで、どうだというの。
虚実皮膜。虚構を極めればそこには真実が宿る。
わたしはわたしの感情も信じられない。
追加。本当に口の減らねぇ女だ。
かなしいシンクロ
いいこと、何もしてあげられなくてごめん。
同じことを思っていた。そんなとこばっかり気が合っていた。
でも私は彼から何かもらう気はなかった。たぶん2人で途方に暮れていたんだと思う。お互いがお互いのために何をすればいいのか全くわからなかったから。何をしたら喜ぶかとか、そんな簡単な話じゃない。
生きている場所がまるで違うということは、交わり続けるのは不可能ということ。表立ってしてあげられることもない。だから夜、人目を忍んで会っていた。何もしてあげられないから、体しかなかった。気持ちいいことくらいしか。昼間に会ったことは、片手で足りるくらいしかない。いつかまた会うことはあるんだろうか。わたしはもう顔もみたくないけどね。
追加。
わたしこそなにもしてあげられなかった。ごめんね。何してあげたらいいかわかんなかった。だから体しかなくてこうするしかなくてって必死の思いで伝えたら、そんなことない、わかってるって泣いていた。
うつくしい恋人
細くて真っ白で柔らかくてすげーきれい。
らしい私の体。
そう言った人の体は、骨ばっていてカフェオレ色で美しかった。